連載小説

旅色の空 あらすじ

作・み え


『旅色の空』
 全作詳細あらすじ

この物語は、1話完結形式です。


第1話.夏みかんの木の下で

恋人と親友が、泣きながら一緒に現れた次の日から、
「私」は傷心旅行に出た。
真夏の暑い日、たどりついた畑の真ん中に、
大きくそびえる夏みかんの木には、不思議な伝説があった。
この木の下での不思議な出会いを通して、
私は、悲しむばかりの暗い気持ちから、
少し立ち直ることができたのだった。

第2話.龍の子の寄り道

思わぬハプニングから、温泉街に一泊することになった「私」。
迷子になった龍の子の伝説が残る温泉宿で、
美しい女将さんに「忘れたいことの忘れ方」を教わった私は、
新たな気持ちで温泉街をあとにするのだった。

第3話.蝉の森

晩夏、季節が変わるという伝説のトンネルを目指し、
無数の蝉の声が響く森の中を歩いていた私は、
そこで「派手な緑色のリュック」の男性と出会う。
背の高いその彼と別れたあと、
私の心には不思議と彼の姿が印象深く残るのだった。

第4話.記念日という名の喫茶店

湖畔に立つ喫茶店には、霧の濃い日に見ると看板の文字が
違って見えるという伝説があった。
秋の朝、民宿の奥さんにすすめられてその喫茶店へ向かった私は、
そこで不思議な体験をする。
そしてつい数時間前に、この地を訪れていたという
「派手な緑のリュック」の男性の話を聞き、
彼に会いたいと思うようになる。

第5話.青い雪

「青い雪を見ると幸せになれる」
真冬の雪景色のなか、不思議な伝説の地を訪れた私は、
自分の失敗がもとで、その伝説の誤解を招いてしまう。
けれども、その誤解のおかげで、ずっと離れていた親子が再会した。
再会した親子と私の上に、無数の青い雪が降り注いだ

第6話.幸福の花びら

暦の上では春だけれど、まだまだ真冬の気候が続く季節、
たまたま立ち寄った町で、
早咲きの桜の伝説があることを 聞いた私。
偶然にも「派手な緑のリュック」の彼がこの伝説を尋ねて来て、
彼に会ったという、女性に出会う。
自分の人生を強く生きる女性に励まされ、
彼への距離が近付いたことを感じながら、
私は伝説の「梅の木」に向かって、旅立った。